お仕事をする犬たちを紹介!人を助け共に生きる
さまざまなお仕事に携わる犬がいます。鋭い嗅覚や聴覚、運動能力を生かし、私たち人間を助けてくれているのです。
警察犬や盲導犬が思い浮かぶと思いますが、他にもたくさん犬のお仕事があります。今回は、お仕事をする犬について解説します。
人のサポートをする犬
訓練を積んで体の不自由な方をサポートする犬。盲導犬の他に、聴導犬や介助犬がいます。2002年(平成14年)に成立した身体障害者補助犬法により、公共交通機関や公共施設、民間施設で補助犬同伴受け入れが義務化されています。
盲導犬
目の不自由な方を安全に歩けるよう手伝う犬です。盲導犬がいると、バスや電車に乗って出かけたい場所に行けるようになります。
ユーザーは盲導犬の体に装着したハーネスの動きで、「ストップ」「左に曲がる」「段差がある」などの情報を得ます。
犬種で最も多いのはラブラドール・レトリバー。他にゴールデン・レトリバーやラブとゴールデンのミックスなどが活躍しています。
聴導犬
聴導犬として働く犬は、耳の不自由な方の暮らしをサポートしています。ドアチャイム、警報器、赤ちゃんの鳴き声など音をタッチなどの動作で知らせ、音源まで誘導するのが役割です。
聴導犬は、保護犬なども訓練を受けておりさまざまな犬種がいます。あまり小さいと踏んでしまう可能性もあるため、中型犬以上が適しているようです。
介助犬
手や足に障がいのある方や、体の不自由な人のサポートをするために訓練された犬です。落ちた物を拾ったり、指示をした物を持って来たりします。他にも着替えや起立の手伝い、ドアを開けるなどさまざまなサポートをします。
介助犬で働く犬は、ラブラドール・レトリバー、ゴールデン・レトリバー、スタンダードプードルなどです。人の介助をするので、ある程度大きい方がいいのですね。
人を救う犬
山で遭難した人、海や川でおぼれた人、災害で生き埋めになった人たちを救う犬。危険を伴うため、特別な訓練を積み重ねています。
災害救助犬
レスキュー犬と呼ばれる場合もあります。地震や台風などの自然災害で、倒壊した建物や土砂の生き埋めになってしまった人を嗅覚で捜索する犬です。人を見つけると、ひっかいたり吠えたりして位置を教えてくれます。
がれきの狭い隙間に入り込んだり、不安定な場所を歩いたりするので、専門家のもとで訓練を受けています。
シェパードやボーダーコリーラブラドール・レトリバー、ゴールデン・レトリバーなど犬種が向いているようです。ヘリコプターからの降下訓練など、ハードな訓練を受ける場合もあります。
水難救助犬
海や川などでおぼれた人の救助、捜索を行う犬です。水難救助の代表犬種は超大型犬で、寒さに強く泳ぎが得意なニューファンドランド。足の指に水かきのような膜が付いています。他にもラブラドール・レトリバー、レオンベルガーなどの犬種が活躍しています。
山岳救助犬
登山やハイキング、山菜取りなどで山に入り、行方不明になった人を探す犬です。滑落したり、雪崩に巻き込まれたりした人も捜索します。セントバーナードの他に、ジャーマン・シェパードなどが活躍しています。
安全に貢献
私たちの日々の暮らしの安全守ってくれる犬です。
警察犬
嗅覚などの能力を駆使して、行方不明になった人や犯人を追跡する犬です。シェパードを思い浮かべると思いますが。日本警察犬協会に指定された犬種は全部で7種います。エアデールテリア、ボクサー、コリー、ドーベルマン、ゴールデン・レトリバー、ラブラドール・レトリバー、そしてドイツシェパードです。
民間で飼育されている嘱託警察犬では、大型犬だけでなくトイ・プードルやミニチュア・シュナウザーなど小型犬も活躍しています。
麻薬探知犬
国内に麻薬が入らないよう、空港や港、国際郵便局などで働く犬です。麻薬を発見すると、その場で座ってハンドラーに教えます。「麻薬のニオイ嗅いでいて大丈夫?」と心配になりますが、犬は麻薬中毒にはならないそうです。
活躍する犬種は、ラブラドール・レトリバーとジャーマン・シェパードの2種です。
地雷探知犬
地面に埋められた兵器、地雷を発見する犬。プラスチックや火薬のニオイを嗅ぎ分け、発見するとその場に座って教えてくれます。犬体重が軽いので、地雷を踏んでも爆発する可能性は極めて低いそうです。
家畜や農作物を守る犬
牧場の家畜や農作物を守っている犬もいます。
牧羊犬
観光牧場で、牧羊犬が羊をまとめている様子を見た方もいるかもしれません。牧場で家畜たちを保護したり、誘導したりする犬です。
ボーダーコリーが有名ですが、ジャパンケネルクラブには、シェットランド・シープドッグ、ウェルシュ・コーギー・カーディアン、ウェルシュ・コーギー・ペングローブなど30種類の犬が登録されています。
害獣駆除
農産物を守るため、サルなどの野生哺乳類を追い払う犬です。ベアドッグと呼ばれる、クマを追い払う強い犬もいます。犬種はカレリアン・ベアドッグ。戦うのではなく、クマのニオイを感知して吠えて追い払ってくれます。
心の癒しをくれる犬
寄り添い、触れ合って人々に癒しを与えている犬もいます。
セラピードッグ
高齢者や子ども、病気治療中の方、障がいのある方、災害に遭った方などの心を癒してくれます。
施設や学校、病院、被災地、刑務所などに赴いてさまざまな人と触れ合うのが仕事。犬種はさまざまです。人懐っこく、しつけができているなどの条件をクリアした犬がセラピードッグとして活躍できます。保護された犬の中にも、訓練を受けてセラピードッグになった子がいます。
リーディングドッグ
読書介助犬とも呼ばれます。読書や本読みが苦手で、支援を必要とする子どもたちの本読みを聞くのが仕事です。犬は、子どもが間違って読んでもからかったり笑ったりしません。子どもたちはだんだん自信を取りもどし、自己肯定感を高めていきます。
病気を発見する犬
人間の病気を見つけてくれる犬がいます。
ガン探知犬
人間の尿のニオイを嗅いでガンを発見する犬です。日本にはわずか5匹(2017年時点)の貴重な犬。発見率はなんと99.7%だとか。
低血糖探知犬
低血糖アラート犬とも呼ばれ、糖尿病の患者さんが低血糖になった際に知らせる犬です。低血糖になると、突然意識を失う可能性もあり大変危険です。吠えたり、服を引っ張ったりなど普段と異なる行動を取って知らせてくれます。人の低血糖を、嗅覚で探知していると考えられています。
まとめ
働く犬を紹介しました。人の目や耳、手足となったり、行方不明の人を探したり私たち人間を助けてくれている犬。中には、災害時の捜索や地雷探知など危険な場所に赴く犬もいます。
家で飼われている犬のお仕事は、飼い主さんを癒すこと。犬はやはり、人々の大切なパートナーであると改めて実感しますね。