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ワンちゃんの涙やけは放置NG! 原因と予防法・ケアの仕方を解説

ワンちゃんの涙やけは放置NG!原因と予防法・ケアの仕方を解説

ワンちゃんの目の周りが茶色に変色してしまう「涙やけ」は、ワンちゃんの体内で何かしらのトラブルが起こっている可能性があります。今回はワンちゃんの涙やけの症状や原因、動物病院を受診する目安、自宅でできるケアの仕方と予防法について詳しく解説します。飼い主さんのこまめなケアによって症状が和らぐことがあるので、ぜひ参考にしてください。


ワンちゃんの涙やけとは?

「涙やけ」とは、目の周りが涙で濡れたことにより、茶色に変色した状態のことをいいます。涙やけは病名ではなく、状態のことを指しています。


ひとと同じくワンちゃんの涙も、角膜の保護や老廃物と目に入ったゴミを流しだすといった役割を持っています。

しかし何らかの原因により、涙の分泌量と排出量のバランスが乱れてしまうことで、涙やけの状態が起きてしまうのです。

涙が過剰に分泌されてしまい、目から涙があふれてしまう状態のことを「流涙症(りゅうるいしょう)」といいます。


涙やけが起きる原因とは?

では、ワンちゃんの涙やけが起きてしまう原因とは何でしょうか?


涙やけが起きる原因として考えられるのは、「アレルギー」「鼻涙管閉塞」「眼瞼内反」「まつ毛の生え方の異常」の4つが多く見受けられます。


それではこの4つの原因をそれぞれ詳しく解説していきます。


アレルギー

食べ物やノミ、花粉などによって起こるアレルギーは、ワンちゃんの目にかゆみが起こり、涙が過剰に分泌され、涙やけを引き起こします。

春になると花粉症のひとと同じように、頻繁にくしゃみをしたり、目をかゆがったりして、目の周りが涙で濡れているワンちゃんも少なくありません。


鼻涙管閉塞(びるいかんへいそく)

鼻涙管閉塞とは、目から鼻にかけての涙の通り道にあたる鼻涙管が詰まってしまう病気です。

生まれつき鼻涙管が詰まっていたり、通り道が狭かったりして起こるケースや、結膜炎、外傷、腫瘍などによって詰まってしまうケースもあります。


眼瞼内反(がんけんないはん)

眼瞼内反とは、逆さまつ毛のことです。まぶたが眼球側にめくれた状態なので、まつ毛が眼球に接触していて、常に目の表面が刺激され続けています。このことにより、涙の量が多くなり、涙やけを引き起こしていると考えられています。


眼瞼内反は先天的な要因が多く、およそ1歳頃までに発症します。生後1歳までに定期的な検診を受け、早期発見、早期治療をすることが望ましい病気です。


まつ毛の生え方の異常

まつ毛の生えている位置は正常なのに、生え方に異常がある場合、涙の量が過剰に分泌されて涙やけを起こしやすくなります。


まつ毛の生え方の異常は、大きく分けて以下の3つに分類されます。


・「異所性睫毛(いしょせいしょうもう)」=まぶたの裏側にまつ毛が生えてしまう

・「睫毛乱生(しょうもうらんせい)」=まつげが目に向かって生えてしまう

・「睫毛重生(しょうもうじゅうせい)」=目の脂を分泌する腺からまつ毛が生えしまい目に当たる


いずれもまつ毛自体は正しい位置に生えているため、じっくり観察しない限り、飼い主さんが気がつかないことも少なくありません。

狂犬病予防接種やワクチン接種など、別の用件で動物病院を受診したときに、涙やけの指摘をされ、初めてまつ毛の生え方の異常を知るケースもあるようです。


涙やけを起こしやすい犬種

一般的に涙やけを起こしやすいといわれている犬種がいます。その犬種と、なぜ涙やけを起こしやすいといわれているかについて、理由をご紹介していきます。


シーズー・パグ・チワワ

目が大きく外に張り出している、短頭首といわれている犬種です。短頭首は構造的に涙を留めにくいことや、目を傷つけてしまうこともあり、涙が過剰に分泌しがちです。さらに眼瞼内反になりやすく、涙やけを起こしやすい犬種だといわれています。


トイプードル・マルチーズ

生まれつき鼻涙管が狭かったり、閉塞していたりすることが多い犬種です。鼻涙管が狭窄、閉塞していると、涙があふれて涙やけを起こしやすいです。


柴犬・ミニチュアダックスフンド

生まれつきアレルギーを起こしやすいといわれている犬種です。アレルギーにより、涙の分泌量が多くなり、涙やけの状態になりがちです。


動物病院を受診する目安

様子を見てもいいものか、病院を受診するべきなのか、判断に迷うときは次にあげる受診すべき2つの目安を参考にしてみてください。


目やにの異常

目やにの色が黄色い、量が多い、ドロッとしている、臭いがきついなどの症状が出ている場合は、できるだけ早急に動物病院を受診するべきです。細菌感染を起こしている可能性が高いです。


ワンちゃんが変わった行為をしている

ワンちゃんが次のような行為をしているときは、目がかゆい、痛いなどの異常を感じていることが多く、結膜炎やブドウ膜炎を起こしている可能性があります。


・自分の前足で目をこするような仕草をしている

・頻繁にまばたきをしている

・眩しそうに目を細めることが多い

・白目が赤くなっている


このような症状を放置してしまうと、重い目の病気に移行してしまうこともあるため、早めに動物病院を受診するべきといえます。


涙やけを起こさないようにする予防法

まずは涙が大量に流れる原因を特定することが重要です。原因がわかれば、どのような予防をすればよいのかが見えてくるはずです。


ただし、生まれつきの目の構造上の問題により起こる涙やけは、予防がとても難しく、鼻涙管閉塞などの疾患は手術することで根治できることもあります。手術を受ける必要があるかどうか、獣医師とよく相談してみてください。


アレルギーによる涙やけを起こしてしまうワンちゃんの場合は、動物病院を受診し、涙やけを起こさないようにする治療を受けることです。


アレルギーの原因はワンちゃんによってさまざまです。どのようなものに対し、アレルギー反応を起こしているのかの検査を受けることをおすすめします。

検査結果によっては、食事の内容や花粉の季節に気を配り、ハウスダストなどへの対策を万全にしてあげてくださいね。


飼い主さんができる涙やけのケア

涙で濡れている毛や皮膚を放置したままでいると、細菌感染症を起こしやすくなります。ワンちゃんの目の周りが濡れていることに気がついたら、とにかくこまめに涙を拭いてあげることが適切なケアです。


拭くときは強くこすると皮膚を傷めてしまうこともあるので、コットンやガーゼを用いて優しく撫でるように拭いてあげることがポイントです。


お散歩やお出かけなどの外出先でも、サッと拭いてあげられるように水で湿らせたコットンなどを持ち歩くといいですね。


涙やけによって目の周りの毛がゴワゴワしていたら、まずは濡らしたコットンやガーゼでふやかした後、目の細かいコームでとかしてあげるとほぐれます。


やってはいけない涙やけのケアの仕方

動物病院を受診せず、インターネットで調べて自己流のケアを行う飼い主さんも少なくありません。

現在は調べたいことを検索すると、さまざまな情報を入手することができ、便利な世の中ですよね。


しかし最も重要なことは、「なぜワンちゃんの涙やけが起きているのか?」ということです。原因を突き止めて、その時々に合ったケアをしてあげることが完治への近道といえます。


「これをやれば涙やけはなくなる」という情報も間違いではないかもしれませんが、症状には個体差があります。

飼い主さんが自己判断するのではなく、動物病院を受診して、正しいケアの仕方を学ぶことをおすすめします。


まとめ

ワンちゃんの涙やけは、生まれつきのまつ毛の生え方の異常やアレルギーなどで涙が過剰に分泌されて、目の周りが涙で濡れたままの状態で起こるものだということがわかりました。


飼い主さんがワンちゃんのためにできることは、

1.涙やけを起こしている原因を突き止めること

2.原因を排除すること、または治療を受けさせること

3.こまめに拭いてあげること

この3つの予防とケアが涙やけを遠ざけることにつながります。


涙やけそのものは、こまめに拭いてあげれば、目の周りが茶色に変色してしまうことは防げます。コットンやガーゼなどを濡らしたもので優しく撫でるように拭いてあげてくださいね。