ワンちゃんの寝相やいびきでわかる気持ちや病気のサインとは?
ワンちゃんの寝姿に癒されている飼い主さんは多いことでしょう。癒し以外にも時に笑いをもたらしてくれるワンちゃんの寝相には、そのときのワンちゃんの気持ちがあらわれていることがあります。また、ワンちゃんがいびきをかくのにも理由があります。今回はワンちゃんの寝相といびきについて詳しく解説します。
寝相にあらわれるワンちゃんの気持ち
ワンちゃんの寝相には、健康状態や心理状態をを表している体勢もあります。
では、ワンちゃんがどのような寝相だとリラックスして寝ているのかなど、5つのよく見られる寝相から解説します。
『横向き』
横向きはワンちゃんにとって楽に眠れる体勢です。
快適な環境で休めているときにみられる寝相です。暑さを感じているときは、脚を広げていることもあります。
『丸くなっている』
ワンちゃんがドーナツのように丸まっている寝姿はよく見かけますよね。一般的なワンちゃんの寝相は、丸まっていることが多いです。
アンモナイト化石にちなんで「ワンモナイト」と呼ばれることもあります。
内臓を守って体温を逃がさないようにするためだといわれています。
寒さを感じているときや寒い場所で寝るときにも多い寝相です。
しかし、緊張を感じているときに、この寝相になるワンちゃんもいるので注意しましょう。
温かさを感じる場所でも丸まって寝ている場合は、緊張しているのかもしれません。
『へそ天』
お腹を天井に向けて眠る体勢です。
おへそが天井を向いていることから「へそ天」と呼ばれています。
お腹はワンちゃんにとって急所です。
その部位を無防備に見せて寝ているということは、とてもリラックスして眠っていることがわかりますね。
『うつ伏せ』
寝ていてもすぐに立ち上がれる体勢です。
周囲を警戒していたり、飼い主さんの動向が気になっていたりするときに多く見られる寝相です。
『体を寄せている』
多頭飼いの場合、ワンちゃん同士がくっついて寝ていることがありますよね。
寒いからという理由もありますが、これはワンちゃん同士が信頼し合っているサインともいわれています。
飼い主さんに体を預けて寝ている場合も同じことがいえます。
体調に注意したいときの寝相としぐさ
ワンちゃんは体調がよくないとき、寝相や睡眠中のしぐさに症状が現れることがあります。
特に注意すべき2つの寝相としぐさをご紹介しますね。
『祈りのポーズ』には要注意
前脚を伸ばして腰を上げた状態、いわゆる『祈りのポーズ』と呼ばれる体勢は、ワンちゃんが腹痛のときにする行為です。
腹痛がひどいときは起きている間、頻繁にこのポーズを取りますが、祈りのポーズのまま寝ているときには注意が必要です。
腹痛だけではなく、膵臓に炎症が起こっていて、その痛みのサインを出している可能性もあります。
膵臓に炎症が起こっていると、嘔吐や下痢など、胃腸炎と似た症状がみられます。
祈りのポーズをしているときは、早急に動物病院を受診すべきです。
注意すべき睡眠中のしぐさ
「ぐっすり寝ているワンちゃんが突然激しく動きだす」ときは、ワンちゃんから目を離さず様子を観察してください。
夢を見ているワンちゃんが体を動かすこともあります。この場合はすぐに治まります。
しかし、激しい動きが何回も起こったり、長い間続いたりするときは、脳に関連する病気があるのかもしれません。
全身が震える、脚をバタバタ動かすなどの症状は「てんかん発作」の可能性があります。
可能であれば動画を撮影し、獣医師に見てもらいましょう。診断の際、貴重な判断材料になります。
ワンちゃんがいびきをかく理由
気持ちよさそうに寝ているワンちゃんが突然、いびきをかきだして驚いた経験はありませんか?
熟睡しているからかな?と思ってしまいがちですが、いびきをかくのには理由があることがほとんどです。
ではなぜワンちゃんがいびきをかくのか、考えられる主な理由5つについてお伝えしていきます。
犬種によるもの
マズルの短い短頭種は、空気が通りにくい鼻の構造になっているため、いびきをかきやすいといわれています。
短頭種に分類されている代表的な犬種は、パグやチワワ、シー・ズー、ブルドッグなどが挙げられます。
また、短頭種は生まれつき「鼻腔狭窄症」という病気を抱えている子も多い傾向です。
鼻腔狭窄症のワンちゃんは、正常な鼻腔のワンちゃんよりもパンディングによる体温調節が苦手なため、暑い時期は熱中症になりやすいといわれています。
毎日のように睡眠時に大きないびきをかいていたり、暑い時期の呼吸が苦しそうだったりしている場合は、鼻腔狭窄症の可能性があるので、動物病院を受診してください。獣医師に相談してみましょう。
肥満によるもの
肥満体のワンちゃんは喉の周りに脂肪がつきやすいため、寝ている間にいびきをかくことがあります。
ひとと同じように、肥満になると脂肪が喉を圧迫しがちです。
喉が圧迫されてしまうと、体温が上がりやすくなる、少し体を動かしたりしただけでも呼吸が早くなったり、苦しそうになったりといった症状がみられます。
肥満が原因でいびきをかいている場合は、おやつやフードなどの食事内容の見直しや運動量を増やすなど、ダイエットをすべきでしょう。
飼い主さんの努力次第では、ワンちゃんのいびき改善にも繋がりますし、肥満であるために上がる病気のリスクから遠ざけられるはずです。
老化によるもの
ワンちゃんも年をとってくると、足腰だけではなく、喉や首、気管を支える筋力にも衰えがみられるようになります。
シニア期以降さらに加齢が進むと、成犬期に比べ、いびきをかくようになることもあります。
ただし、なかには呼吸器系の病気や心疾患によっていびきをかくことがあります。
苦しそうな呼吸音やいびきをかいている場合は、早めに動物病院を受診してください。
アレルギーや感染症の疑い
アレルギーや感染症になると、喉の粘膜に炎症が起こり、腫れてしまうことがあります。
そのため、腫れが喉を圧迫し、いびきをかきやすくなります。
また、ハウスダストやタバコの煙、花粉などが原因で鼻水が出て鼻が詰まりがちになると、いびきをかくこともあります。
ハウスダストなどが原因でいびきをかくこともあるため、空気清浄機を使用するなどして、ワンちゃんが過ごす室内の環境を清潔に保ってあげてください。
アレルギーや感染症を疑う場合は、早めに動物病院を受診し、獣医師に相談しましょう。
病気のサインの可能性もある
ワンちゃんがいびきをかいているのには、もしかしたら何かしらの病気のサインなのかもしれません。
考えられる病気としては、鼻炎、鼻腔狭窄、軟口蓋過長症、気管虚脱、鼻腔内腫瘍、心臓病などが挙げられます。
気をつけるべきいびきの特徴は以下の通りです。
・急に大きないびきをかくようになった
・いびきの音が異常に大きい
・息苦しそうないびき
・起きているときに鼻からいびきのような音を出す
このような症状があるワンちゃんの体には、相当な負担がかかっていることがあります。
早めに動物病院を受診すべきだといえるでしょう。
まとめ
ワンちゃんは寝ているときにさまざまな寝相をします。
そして、その寝相から健康状態や心理状態がわかることがあります。
飼い主さんはワンちゃんの寝姿を観察して、快適な環境でよく眠れるように工夫してあげてくださいね。
また、ワンちゃんが頻繁にいびきをかいていたり、いびきの音が異常に大きく感じたりするなどの症状がみられるときは、何かしらの病気のサインである可能性もあります。
いびきがおさまらないときは、早めに獣医師に相談することをおすすめします。