吠え癖を直す方法:犬の無駄吠えを防ぐトレーニング
犬の無駄吠えは周囲に迷惑をかけるため、飼い主さんが抱える大きな悩みのひとつではないでしょうか。今回は、無駄吠えを改善するにはどのような方法があるのか知りたい飼い主さんのために、無駄吠えの原因や改善のためのトレーニング方法などについてお伝えします。
犬はなぜ吠える?理由を理解しよう!
実は愛犬の無駄吠えに悩んでいる飼い主さんは少なくありません。
かわいい愛犬とはいえ、散歩中に無駄吠えを始めてしまうと、いち早くこの場から去りたいと思うのではないでしょうか。
まずは、愛犬がなぜ吠えてしまうのか、理由を知り、理解してほしいと思います。
では、解決への第一歩となるその理由についてお伝えしていきます。
本能としての吠える行動
犬が吠えるのは、元々の本能的な行動のひとつです。
犬は群れで生活していた動物ですから、吠えることで仲間に危険を知らせたり、自分のテリトリーを守ったりしていました。
そのため、現代でも犬は自分のテリトリーを守るためだったり、不審な物音に警戒して吠えたりすることがあります。
これは本能的な反応なので、犬にとってはごく自然なことなのです。
無駄吠えが問題となる理由と改善が必要な理由とは?
本能的に吠えてしまうとはいえ、頻繁に吠える「無駄吠え」は問題です。
犬の無駄吠えは騒音と感じるひとが多く、迷惑をかけることになります。
頻繁にあると、近隣から苦情がきたり、騒音トラブルに発展したりする可能性もあり得ます。
また、飼い主さんはストレスが蓄積し、飼育環境全体に悪影響を及ぼす可能性が出てきてしまうでしょう。
このようなことから、無駄吠えは解決するべき問題だといえます。
無駄吠えの原因となること
犬が無駄吠えする原因はさまざまですが、主な要因は次のようなものがあります。
・恐怖心、警戒、不安
・要求
・興奮
では、詳しく見ていきましょう。
恐怖心・警戒・不安
犬自身が危険を感じたときや、テリトリーを侵されそうになったとき、警告の意味で吠えることがあります。
恐怖心が強いときは、吠えと同時に尻尾が下がり震えていることが多いです。
警戒心が強いときは、吠えと同時に歯をむき出しにして、攻撃姿勢になっていることが多いです。
また、インターフォンやサイレンなどの特定の音に反応して吠える犬もいますね。
室外から聞き慣れない音がしたり、よその犬やひとが通る気配を敏感に察知して吠える犬もいます。
怖がりな犬は不安を表すために吠えるといわれています。
要求
吠えは、犬にとってコミュニケーション手段のひとつであり、何かをしてほしいときにも吠えることがあります。これを「要求吠え」といいます。
おやつが欲しい、遊んでほしいなどの要求があるときに吠える犬は多いです。
しかし、頻繁に吠えたり、要求が通るまで吠え続けたりするのは問題です。
コミュニケーションの手段である吠えを理解し、適切な反応を心掛けることが大切です。
興奮
好きな犬やひとと会った瞬間や、遊んでいるときなどに気持ちが高ぶって吠えることがあります。
興奮していますが、吠えると同時に尻尾を振るため、友好的な気持ちであることはわかります。
個体差と育った環境によりますが、一般的には狩猟犬や牧畜犬のルーツがある小型犬が吠えやすい傾向にあります。
愛犬の興奮状態が続いているときは、飼い主さんが落ち着かせてあげましょう。
無駄吠えを防ぐためのお悩み別トレーニング方法
ここでは無駄吠えのケース別に試してみる価値のあるトレーニング方法をご紹介します。
よその犬やひとに吠えるケース
よその犬やひとに吠えるといっても、恐怖や不安からの場合と攻撃的な場合、友好的な場合と種類がありますよね。
吠えると同時に尻尾が下がっているときは、恐怖心が強く働いているため、自分から相手と距離を置こうとします。
これは離れれば吠えるのを止めるので、そのまま退散してください。
歯をむき出しにして吠えるときは、犬にでもひとにでも威嚇している証拠です。
男の子で強い縄張り意識があると、ほかの男の子の犬に対して力強く吠えるでしょう。
喧嘩になり、犬がケガをしたり、双方の飼い主さんが不快な思いをしたりしては大変です。
ひとと同じく犬にも相性はあります。
無理をして仲良くさせることはせず、距離を置きましょう。
また、気になる犬やひとに会うと吠えるケースもありますね。
そのようなときは立ち止まり、愛犬の目線になってやさしく声をかけて落ち着かせましょう。
そして、吠えを止めたら褒めるを繰り返してください。
とても根気のいる改善法ですが、長期的にみると効果が期待できる方法です。
要求で吠えるケース
おやつがほしくて吠える犬は多いかと思います。
要求吠えを改善するには、「吠えても意味がない」ことを犬に理解させます。
具体的には、要求吠えをしても無視することです。
そして、吠えるのを止めたら褒めるを繰り返します。
吠えをいち早く止めさせたくて要求を吞んでしまうと「吠えれば願いが叶う」と学習してしまう恐れがあるため、反応しないことが大切です。
これには飼い主さんの強い意志が欠かせません。
成果が出るまでに時間と努力がかかりますが、飼い主さんが根気強く取り組み、犬に対して理解と愛情、そして忍耐を持って接することが最も大切です。
来客に吠えるケース
来客が自分のテリトリーを脅かす存在なのでは?と、警戒し興奮しているのでしょう。
飼い主さんが来客と談笑していれば、やがて安全な相手なのだと認識するはずです。
落ち着くまで抱っこしながら、「大丈夫だよ」とやさしく声掛けしてあげてください。
特定の音を聞くと吠えるケース
犬は聴覚と嗅覚にすぐれているため、室内に居ても外の音(車やひとの話し声)や、見知らぬ犬やひとが通る気配を感じ取ります。
個体差があるため、まったく気にしない犬もいますが、特定の音に対して敏感に反応する犬もいます。
この場合は、窓やシャッターを閉めて外から聞こえる音をできる限りシャットダウンする、おもちゃやおやつを使って気をそらすなどの対策がよいでしょう。
どのような音が愛犬にとっての刺激となっているのかを見極めることが大切で、必要に応じて慣れさせる訓練を行うことが有効です。
犬の無駄吠え改善におすすめしたいこと
ここでは、犬の無駄吠えを軽減させるためにおすすめしたいことについてご紹介します。
適度な運動
犬は運動をすることで、エネルギーを発散し、ストレスを軽減することができます。
家の前をよその犬が通るたび、室内から吠え続けているときは、自分も外に出たいと思っているのかもしれません。
可能であれば、散歩の時間を増やしてみたり、よその犬に会えそうな時間に外に出てみたりするなどの対策をしてみてください。
ポジティブリンフォースメントの活用
ポジティブリンフォースメントとは、犬が望ましい行動をしたときに褒めたり、ご褒美を与えることで、その行動を認知させる手法です。
無駄吠えの改善にも、ポジティブリンフォースメントを活用がおすすめです。
犬に「無駄吠えをするよりも、吠えるのを止めたり、吠えないでいたりするほうが良いこと」を理解させるのです。
専門家によるトレーニングを受ける
飼い主さんがひとりでがんばりすぎると、余裕をなくしてイライラしがちです。
愛犬にもよくない影響を与え、トレーニングがよい方向に進まない可能性も出てくるでしょう。
そのようなときはぜひ専門家に頼ることをおすすめします。
犬のトレーニングの専門家は犬の行動や心理に詳しく、効果的なトレーニング方法を提案してくれて、飼い主さんの疑問や悩みにも寄り添ってくれるはずです。
また、犬の幼稚園やしつけ教室に通い、効果的なトレーニングを受けてみるのもよいのではないでしょうか。
まとめ
無駄吠えを防ぐためには、愛犬がなぜ吠えるのかの理由を特定することがはじめの一歩です。
そして、成功率の高いトレーニング方法を根気よく続けることが重要です。
犬によってはかなりの月日がかかることもあり、飼い主さんのストレスが蓄積しがちです。
その場合は、ひとりで抱え込まず、犬のトレーニングの専門家からアドバイスをもらったり、犬の幼稚園などを利用してプロからトレーニングを受けたりすることをおすすめします。
無駄吠えすることなく、愛犬とともに心地よく暮らしていけるようにしたいものですね。