犬が安心して留守番できる環境作りと躾の方法

犬が安心して留守番できる環境作りと躾の方法

犬は本来群れで生きる動物なので留守番は得意ではありません。しかし適切なトレーニングをして快適な環境が整っていれば留守番ができるようになります。今回は愛犬が安心して留守番ができるように飼い主さんができる環境づくりとトレーニングの方法についてご紹介します。

犬が留守番できる時間はどのくらい?

犬が留守番できる時間はどのくらい?

犬が留守番できる時間はどのくらいか気になりますよね。

日常的に留守番をしている犬だと、朝、飼い主さんが仕事に出かけて夜帰宅するまで、長時間の留守番が可能です。

一方で飼い主さんがいつも家にいる環境だと、それが自然なことなので、いざ留守番となると落ち着かなくなる犬もいます。

しかし、トレーニング次第では留守番ができる犬になります。

今回は留守番トレーニング方法をご紹介しますが、まずはじめに犬が持つ本来の性質を知ってほしいと思います。

犬の本来の性質を理解しよう

犬の本来の性質を理解しよう

犬は元々群れで生きる動物です。


そのため本来は、家族と一緒にいたいため留守番は好まないのです。


ひとりで留守番することは寂しさや不安を感じ、ストレスになります。


しかし、どうしても留守番させる必要がある家庭は多いかと思います。


ですが、犬は本来「ひとりになることは苦手」だということは覚えておいてください。

平均的な留守番可能時間

平均的な留守番可能時間

犬が留守番できる平均的な時間は、留守番トレーニングがしっかり行われている場合で8〜12時間とされています。

ただしこの留守番が可能な時間は、あくまでも留守番が習慣化されている犬の目安です。

留守番が可能な時間は、共に暮らすひとの生活リズムや習慣によって大きく異なります。

留守番の経験があまりない犬や留守番が苦手な犬には、無理のない範囲で留守番させる時間を決めることが大切です。

長時間の留守番を避けるべき犬

長時間の留守番を避けるべき犬

パピー、病気やケガの治療中の犬、介護が必要な犬は、長時間の留守を避けるべきです。

生後半年未満のパピーは、トイレトレーニングをする重要な期間であるため、1時間程度に留めることが推奨されます。

病気やケガで治療中の犬は、程度によるため、状態をよく観察してから留守番をさせるかどうかを決めるようにしてください。

介護が必要な犬は、その時々の健康状態や排せつの問題を考慮しても短時間が望ましいです。



安心できる留守番環境の整え方

ここでは、留守番時の安全対策と快適な空間づくりについてお伝えします。

安全性の確保

安全性の確保

留守番中は犬が安全に過ごせる環境を整えることが重要です。

安全性の確保という点では、ケージなどに入れたほうがよいでしょう。

特にパピーや足腰の不自由なシニア犬は、行動を制限しておくと安全性が高くなります。

パピーの場合はジャンプしたり、柵をよじ登ってケージから脱走する可能性があるため、屋根付きのものがおすすめです。

ケージなどに入れず、室内でフリーのまま留守番をさせるときは、室内に危険な物がないか、しっかりと確認し、犬が触れないようにすることが重要です。

具体的には、電気コードやリモコン類、犬に有毒な植物、薬品などです。

また、誤飲誤食を防ぐためにも、食べ物類は犬が届かない場所に置くようにしましょう。

万が一の事故を防ぐために、窓やドアの施錠の確認も忘れてはいけません。

無駄吠えやいたずらの防止法

無駄吠えやいたずらの防止法

飼い主さんの不在中に無駄吠えやいたずらをする犬もいますね。

しかし、適切な対策を取ることで問題行動を防ぐことができます。

まず、無駄吠えを防ぐためには、留守番前にたっぷりと運動をさせましょう。

たくさんエネルギーを使うと、無駄吠えが少なくなる可能性が期待できます。

また、留守中の暇つぶしとして、夢中になれる知育玩具を用意するのもおすすめです。

いたずらを未然に防ぐためには、犬の行動範囲を限定し、犬に触れてほしくない物は片付けておくことがベストです。

快適に過ごせる空間づくり

快適に過ごせる空間づくり

留守番中の犬が快適に過ごすには、リラックスできるベッドやケージなどを整えて、安心できる場所として認識させることが効果的です。

また、室内の温度・湿度管理も重要です。

一般的に犬が快適に感じるのは、室温22~24度、湿度50%前後だといわれています。

退屈や寂しさを紛らわすために、安全なおもちゃ(知育玩具)を置いておくのもおすすめです。

テレビやラジオなど、ひとの話し声や音楽などが聞こえていたほうが落ち着く犬もいますね。

さらに、喉が渇いたとき、自由に水を飲めるようにしておくことも忘れないようにしましょう。

犬にとって居心地が良く、安心して過ごせる空間を提供することで、留守番中のストレスを最小限に抑えることができます。


留守番トレーニングの基本ステップ

留守番トレーニングの基本ステップ

「具体的にトレーニングってどんなことをすればいいの?」と疑問に思う飼い主さんもいるでしょう。


犬はステップを踏み、繰り返し行うことで学習します。


それでは基本的なトレーニング方法をご紹介します。


ステップ1:普段からひとり遊びの習慣をつけさせる

飼い主さんが在宅していても、愛犬だけで過ごすような時間をつくります。


その際は愛犬の好きなおもちゃを与えるといいですね。


ステップ1では、飼い主さんから注意をそらし、何かに集中させることが目的です。


しばらくしてから声をかけてみます。


「ひとりで遊べてえらいね」など、褒めてあげましょう。


慣れてくると夢中になって遊んでいるうちに、いつの間にか寝てしまう犬も多いです。



ステップ2:クレートやサークルの活用

留守番のトレーニングを進める際、クレートやサークルを活用することが効果的です。

短時間の留守番にはクレートが適しています。

クレートは犬にとって安心感を与える狭い空間で、自分だけの場所として認識させやすいです。

練習の方法としては、最初はドアを開けたままでクレートの中に好きなおもちゃやおやつを置き、自由に出入りさせるところから始めましょう。

クレートが苦手な犬には、サークルの活用がおすすめです。

サークルは広いスペースを確保できるため、犬がのびのびでき、留守番中のストレスを軽減できます。


ステップ3:短時間から慣れさせる

飼い主さんがいなくなると、強い不安と寂しさを感じ、体調不良や吠え出す犬もいます。

このような状態になることを分離不安といいます。

分離不安の対策には、徐々に距離と時間を延ばすトレーニングが効果的です。


初めは犬がおもちゃに集中している間に、短時間部屋を出ることから始めましょう。


この際、過剰なコミュニケーションはせず、自然に出入りすることで犬に不安を与えないようにします。


飼い主さんが戻ったときに興奮状態になる犬もいますが、すぐにかまわず、犬が落ち着いてからスキンシップを取るようにします。


これを繰り返すことで、犬は飼い主さんは必ず戻ってくると理解し、不安が軽減されます。


大切にしたい!トレーニングするときのポイント

大切にしたい!トレーニングするときのポイント

トレーニングを行うときに忘れてはいけないポイントが2つあります。

それぞれ見ていきましょう。


褒めて自信をつけさせる

犬の留守番トレーニングを進めるポイントのひとつは、犬に自信をつけさせることです。

「いい子にしてたね」や「おりこうさんね」という言葉をかけて褒めることで、犬は自分の行動が正しいと認識します。


飼い主さんの心構え

多くの犬は、飼い主さんが出かけるときの様子や動きを敏感に感じ取り、不安を抱えやすくなります。

しかし、出かける準備が日常生活の一部になれば、犬にストレスを感じさせることなく留守番を始められます。

また、飼い主さんは家を出る際、オーバーアクションや言葉を用いず、さりげなく出かけるように心がけましょう。

これにより、犬は飼い主さんの不在を「特別なことではない」として学習し、分離不安の軽減に繋がります。



まとめ

犬を家族に迎えても、留守番させなくてはならない家庭は多いかと思います。

しかし、犬は本来群れで生きる動物なため、ひとりでいることは好みません。

そのため犬に留守番をさせるためには、適切な環境づくりとしっかりとしたトレーニングが欠かせないのです。

トレーニングは、留守番時間を少しずつ延ばすことで犬がストレスを感じにくくなり、やがて慣れてきます。

また、犬がリラックスできる空間を用意し、適切な温度・湿度管理や安全対策を行いましょう。

飼い主さんは根気と愛情をもって愛犬との信頼関係を築きながら、留守番が成功するような環境づくりを目指してくださいね。

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