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犬の歯を調べる獣医

ワンちゃんの歯磨きのコツ!歯周病予防でいつまでもおいしくごはんを食べられるように

ワンちゃんに歯磨きが必要と知ってはいても、なかなか大変ですよね。口を触られるのを嫌がるワンちゃんも多いのではないでしょうか。しかし、歯磨きをしないままでいると、歯周病になる可能性が高くなります。 

歯周病は、歯や歯ぐきだけのトラブルではありません。全身に影響するといわれる病気です。歯周病にならないためにも、歯のお手入れは欠かせません。今回の記事では、ワンちゃんの歯磨きについて解説します。いつまでも健康な歯で、おいしくごはんを食べてもらいましょう。

ワンちゃんは歯周病になりやすい

ワンちゃんは虫歯になりにくいのですが、歯周病にはなりやすい動物です。3歳以上のワンちゃんの8割が歯周病といわれています。

特にかかりやすいのが、歯間が狭く、汚れがたまりやすい小型犬です。また、高齢になると免疫力が低下するためかかりやすくなります。7歳以上のワンちゃんは、ほぼ100%歯周病になっているという報告もあります。

歯周病とは?

歯周病は、細菌によって発生する疾患で歯ぐきや顎の骨が溶ける感染症です。ひどくなると、全身の健康状態に影響することもあります。 

もちろん、いきなり歯周病になるのではありません。初期症状は、歯と歯ぐきの境目にプラークと呼ばれる歯垢が溜まる状態です。たまったままにしておくと、歯肉が炎症を起こし「歯肉炎」になります。ただ、歯磨きや動物病院での治療で元に戻る可能性があるのが歯肉炎です。

しかし、放置すると歯ぐきが腫れたり、血が出たりします。さらに痛みからご飯が食べられなくなることもあるのです。

また、炎症が鼻やあごの骨にまで及ぶことで、副鼻腔炎になったり、顎の骨が折れたりすることもあります。心臓や肺など、全身の疾患に関わると考えられています。

歯磨きに慣れるには?

犬の歯を磨く

予防には、歯磨きが効果的です。といっても、いきなりワンちゃんの口に歯ブラシを入れても嫌がられてしまうでしょう。それどころか、口も触らせてくれなくなるかもしれません。

少しずつ慣れさせ、毎日お手入れすることが大切です。焦らずに歯磨き大好きワンちゃんにしていきましょう。

最も重要なポイント

「ワンちゃんが歯磨きを好きになる」ことがポイントです。叱るのはもちろん、押さえつけるのもやめましょう。「どうしてできないの!」と声を出すのもいけません。「歯磨きするといいことがある」と覚えさせましょう。

1日1回は練習

ほんの1分程度でもよいので、毎日コツコツ続けます。習慣にすることが大切です。

歯磨きペーストは必要

歯ブラシを使うときは、歯磨きペーストが必要です。ワンちゃん用のペーストを動物病院で相談して購入してください。

人間のものは、キシリトールが含まれていることが多く、ワンちゃんには危険なので使わないようにしましょう。ミント味も必要ありません。

茹でた肉汁やペースト状おやつ、ウエットフードのスープを付けてもかまいません。ワンちゃんが歯ブラシ好きになる可能性が高くなります。

歯磨きまでのステップ

ごほうびは必ず用意します。ごほうびは、おやつだけでなくワンちゃんの大好きなごはんタイムやお散歩もOKです。コツは「うまくできたらごほうび」、「できなかったら一度中止すること」。くれぐれも無理はしないようにしましょう。

①口周辺をタッチ
ごほうびを見せて、マテをします。そのあとお手やオスワリをさせましょう。今後は、ごほうびを見せてマテをしたら、口周辺をタッチします。口は開けなくて大丈夫です。唇もちょっとめくってみてください。うまくできたらごほうびをあげます。

②口の中に指を入れて歯にタッチ
ごほうびを見せて、マテ。そのあといよいよ指を入れて歯に触ってみましょう。ポイントは、お肉の茹で汁や、ペースト状のおやつなどで指にワンちゃんの好きな味を付けておくこと。うまくできたらごほうびです。

③歯ブラシでタッチ
今度は歯ブラシでタッチしましょう。同じように、ごほうびを見せてマテをします。1秒程度、歯ブラシで歯に触ってください。口をこじ開ける必要はありません。
歯ブラシに慣れていないワンちゃんは、見せてほめるステップを入れるのもおすすめです。

④犬歯・切歯(前歯)をブラッシング
ごほうびを見せてマテをしたら、数秒ブラッシングをしてみましょう。犬歯や切歯が磨きやすいです。歯ブラシにはおいしい味を付けておきましょう。

ごほうび→マテ→歯磨き→ごほうびの順で、少しずつ全体を磨きます。最終的に、歯周ポケットをしっかり磨けるようにしましょう。

合わせて使いたい歯のお手入れグッズ

ワンちゃんのデンタルケアに役立つ商品が販売されています。歯磨きと合わせて使うと、効果もアップ。

フード

フードをしっかり噛むことで、歯垢や歯石が付きにくくなるフードが販売されています。「デンタルケア」と表記したドライフードを選ぶのがおすすめです。

おやつ

噛むたびに歯が溝に入り込む構造のガムは、歯垢を取り除いてくれるでしょう。誤飲をさけるために、愛犬のサイズに合ったものを選びます。必ず飼い主さんが手に持って噛ませてください。

おいしく食べられて、デンタルケアができるスティックタイプのおやつもおすすめです。無添加なので安心して与えられます。

ヒマラヤ産ヤクチーズスティック (M) - 1本入り70g (godoggy.jp)
鹿の角スティック Sサイズ ニュージーランド産(godoggy.jp)

スプレーやジェル

デンタルスプレー、ジェルは、歯磨きビギナーの飼い主さんにおすすめです。高齢のワンちゃんのお口ケアにも使えます。

こんなケアはNG

よかれと思ってやったケアが、思いがけないトラブルになることも。自己判断でのケアは要注意です。

飼い主さんがスケーラーを使う

スケーラーは、金属製で歯石取りに使われる道具です。ネットで犬用のスケーラーが販売されていますが。飼い主さんがスケーラーを使用するのは大変危険です。歯ぐきにケガをさせる可能性があります。

また、スケーラーは歯の表面に傷をつけやすく、傷に汚れが溜まってしまうため結局汚れしまうため効果はあまりありません。

トリミングサロンなどで、無麻酔で歯石除去

動物病院での歯垢や歯石除去は麻酔下で行われます。そのため「麻酔が怖い」という思いから、無麻酔で施術してほしいと思うかもしれません。 

しかし無麻酔では肝心の歯周ポケットをきれいにすることはできないのです。痛い思いや恐怖感から、歯のケアが出来なくなる恐れもあります。しっかり説明してくれる動物病院で歯のケアをしてもらいましょう。

こんなときは動物病院を受診

もし、次のような症状が見られたら、歯周病になりかけているか、なっている可能性があります。動物病院を必ず受診してください。

口臭がある

「口が臭い」は健康のバロメーター。特に歯周病では口臭が強くなります。歯石、歯垢、膿などが口臭の原因です。

ごはんを食べにくそうにしている

フードをぽろぽろこぼす、時間がかかるようになったなどは歯や歯ぐきのトラブルの可能性があります。痛みや違和感があるのかもしれません。

歯ぐきから血が出ている

犬のおもちゃに血が付いていることで、出血に気付く場合があります。歯ぐきからの出血は、歯周病が進行している恐れがあるので動物病院を受診しましょう。

歯が折れた

硬いおもちゃで遊んでいて歯が折れることがあります。痛がっていなくても、至急動物病院を受診してください。

目の下が腫れている

目の下が腫れているのは、歯が原因かもしれません。上の歯の根っこの膿が、頬に排出されてしまうのです。

定期健診を受けよう

動物病院で定期的に健診を受けていると、ちょっとした異変にも気づいてもらえます。歯のチェックも毎年行いましょう。

まとめ

犬のハイタッチの女の子
ワンちゃんにおいしくご飯を食べてもらうためにも、健康で長生きしてもらうためにも、歯のケアは大切です。歯のケアで効果的なのは「歯磨き」。しかし、いきなり口を開けさせて磨くのは恐怖心を植え付けてしまうため逆効果です。

まずは、口の周辺を触るところから少しずつ始めてください。歯石をとるフードやおやつ、ジェルなどを組み合わせるのもおすすめです。短い時間でもいいので11回は歯を磨き、歯磨き大好きワンちゃんにしましょう。

口臭など心配なことがあったら、動物病院を受診してください。歯磨きのコツも教えてもらえます。