保護犬活動とは?シェルターのワンちゃんに私たちができること
社会的な問題にもなっている犬猫の多頭飼育崩壊や虐待など、心苦しいニュースに目を背けたくなるひとも多いのではないでしょうか。今回は保護犬活動と、シェルターで新しい家族を心待ちにしている保護犬についてを詳しくお伝えしていきます。また、私たちができる保護犬活動、GoDoggyが行っている支援活動についてもご紹介します。
保護犬活動とは?
保護犬活動とは、保護犬を助けるための活動のことです。保護犬の現状を見極めて、問題点を改善し、保護犬に新しい家族が見つかるような支援を行います。
それでは早速ですが、保護犬の現状と問題点から見ていきましょう。
保護犬とは?現状と行く先について
保護犬とは、野犬と呼ばれるワンちゃん、迷子になり飼い主の元に戻れなかったワンちゃん、飼い主の諸事情で飼えなくなったワンちゃん、ペットショップで売れ残ってしまったワンちゃん、悪徳ブリーダーからレスキューされたワンちゃんなど、何らかの理由で保護されたワンちゃんのことを指します。
保護犬の現状
昨今では多頭飼育崩壊の現場からレスキューされているワンちゃんや、飼い主が高齢で飼えなくなり行き場を失ったワンちゃんの様子がテレビやニュースでも度々話題になっていますよね。
そういったことで世間には、保護犬に対する認知度が高まり、関心を持つひとが増えてきているようです。
保護犬にはさまざまな問題があります。一部のワンちゃんは、虐待や過酷な環境での生活の影響を受けているため、信頼関係の構築や社会化に時間がかかることがあります。また、年齢や健康状態によっては、治療やケアが必要な場合もあります。
保護されたとしても、必ず新しい家族に迎えられるワンちゃんばかりではありません。生涯をシェルターで過ごすワンちゃんもいるのです。
保護犬の行く先
保護されたワンちゃんの行く先が気になるところですが、大きく分けると「動物愛護センター」または「シェルター」と呼ばれる保護施設に一時的に収容されます。
「動物愛護センター」は、法令に基づき、全国の都道府県または市区町村に設置されている施設です。規模は地域によってさまざまですが、動物の引き取りや捕獲、譲渡、動物愛護の啓発活動を行っています。
動物愛護センターと保健所はどう違うかというと、保健所は殺処分までの期間を収容するところなのでトレーニングや散歩などは業務外です。
では、もうひとつの保護施設である「シェルター」とはどのような施設なのでしょうか。詳しくご紹介していきます。
シェルターの役割と抱えている問題について
シェルターは、アニマルシェルターやドッグシェルターなどと呼ばれることもあります。動物愛護センターとの違いとしては、シェルターは法令に基づいてはおらず、NPO法人や民間の保護団体であるという点です。
保護された犬にとってシェルターは、一時的な居場所ですが、適切な食事やワクチン、フィラリア検査などの医療ケア、健康管理を受けることができます。
また、散歩や社会化のための活動も行われていて、新しい家族に出会うための適性を身につけるようなトレーニングを受けています。
全国的に保護されるワンちゃんは年々減少傾向にありますが、里親探しが難航するケースも少なくありません。
一部の犬は、過去の虐待や捨てられた経験から、不安や恐怖を抱えています。また、シェルターの環境は一時的なため、ストレスを感じることもあります。
しかし、保護犬が新しい家族と暮らすためには、ひとと共生することを学ばなくてはなりません。
そのようなワンちゃんのために、シェルターのスタッフやボランティアのひとたちが時間をかけてワンちゃんの心をほぐすような工夫と労力をかけています。
ですが、シェルターは一時的に保護する場所であるため、収容されているワンちゃんの数が多くなり過ぎると、保護する必要のある新たなワンちゃんを救済することができなくなってしまいます。
保護してから里親に託すまでの期間を短くする必要がありますが、これもまた難しい問題となっていることも事実でしょう。
より多くのひとが、ワンちゃんを飼おうとしている際、ペットショップで購入する以外にも、譲渡会などで里親の選択肢もあるということを知ってほしいところです。
殺処分ゼロが実現した県
大きな社会問題ともなっている犬猫の殺処分ですが、殺処分ゼロを推進するべく、総力を挙げて取り組んでいる県が多く見受けられるようになってきています。
環境省が令和3年度に調査した「犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況」によると、動物愛護管理行政の実務を行う地方公共団体に犬が引き取りされた数は24,102匹、うち殺処分となった犬は2,739匹という公表結果でした。
しかし、そのような結果のなかでも、殺処分ゼロを実現した県があります。山形県、福井県です。
どちらの県も保護されたワンちゃんが飼い主さんの元に戻る返還率と、新しい家族に巡り会えた譲渡率が高いため、殺処分ゼロが実現されました。
殺処分ゼロを実現している背景には、動物愛護管理推進法の策定と、県の総力を挙げてのさまざまな取り組みを推し進めているという実態があります。
こうした大きな動きが全国的に広がれば、やがて国内の犬猫殺処分ゼロが実現するのも夢ではないかもしれません。
参考:環境省『令和3年(2021年)犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況(都道府県・指定都市・中核市)』
私たちが保護犬のためにできること
私たちにも保護犬を助けるためにできることがいくつかあります。
もし、「保護犬に私がしてあげられることはないかな」と思っているひとは、ぜひ参考にしてみてください。
シェルターへの寄付・物資支援
まず私たちができることとして挙げられるのは、シェルターへの寄付や必要な物資の提供です。シェルターを運営するにはどうしても多額の費用がかかりますし、保護犬たちの食料品や生活必需品などが不足しがちな現状です。
さらに、保護犬のなかには疾患を抱えているワンちゃんもいて、そのための治療費もシェルターへの寄付金でまかなっています。より多くの寄付金が集まることで救える命が増えるといっても過言ではありません。
保護犬の存在を多くのひとに知ってもらう
悲しく切ないことですが、現状では飼い主の都合や経済的な理由で捨てられるワンちゃん、虐待を受けたワンちゃんが保護されるケースが後を絶ちません。
しかし、シェルターでは、再びひとへの信頼関係を取り戻すために、スタッフとボランティアのひとたちが根気よくお世話をしています。
そのため、保護された当時は怯えていたり、ひとに威嚇していたりしていたワンちゃんが穏やかな顔つきになることも多く見受けられます。
ですが、シェルターは一時的な場所なので、保護犬たちはできるだけ早く新しい家族を見つける必要があります。
まずは足がかりとして、保護犬の存在を多くのひとに知ってもらうことが重要だといえます。
里親になる・里親探しのお手伝い
保護犬に対しての理解と愛情を持ち、里親になることやボランティア活動に参加することも有効な支援方法でしょう。
里親になってもいいと思っているひとは、シェルターへ直接足を運ぶか、譲渡会に行ってみるのもおすすめです。
また、友人や知人が「ワンちゃんを飼いたい」と言っているときには、保護犬の里親制度についてひと声かけてみてもよいでしょう。
そして、シェルターに出向き、ワンちゃんたちのさまざまなお世話をするボランティア活動や、ひとと暮らすことに慣れさせるための預かりボランティアなど、里親探しのお手伝いも保護犬たちが新しい家族に出会えるキッカケ作りになります。
GoDoggyが行っている活動
GoDoggyでは、保護されたワンちゃんの幸せを願い、微力ながらもシェルターへの援助を行っています。その活動についてご紹介させていただきます。
シェルターへの寄付金
2020年は新型コロナウイルスの影響で、保護動物シェルターが多くの物資不足に陥り、非常に厳しい年となりました。
そのためGoDoggyでは、新たにGoDonateプログラムを発足し、皆様にお買い上げ頂いた売上の一部より日本全国の様々なシェルターや団体に物資支援や寄付を開始いたしました。
2023年8月時点での寄付をしたシェルターはまだ14団体ではありますが、今後は売上の一部を日本全国のシェルターに寄付することを目標としています。
シェルターへの物資支援を提供
GoDoggyでは、消費期限間近などの商品やブランケットを地元のシェルターに提供しています。
シェルターの運営に少しでもお役に立てることはないかと、GoDoggyのスタッフ一同は日々思いを巡らせています。
まとめ
保護されたワンちゃんがどのような理由でシェルターに保護され、どのような状態でいるのかを多くのひとが知り、関心を持つことが第一歩なのかもしれません。
殺処分されるためにこの世に生まれてきたワンちゃんは一匹もいないはずです。
私たちにできること、それは寄付や物資の提供、シェルターでのボランティア活動、里親になる、または里親探しなど、保護犬を助けるためにできることは数多くあります。
GoDoggyでは、保護されたワンちゃんが新しい家族に迎えられて、ひとに愛されるよろこびを知ってほしいと願いつつ、引き続き寄付と支援を提供していきます。