犬にピーナッツバターを与えても大丈夫?
ピーナッツバターの香りにそそられて、鼻をクンクン、舌をペロペロする犬もいるでしょう。しかし、多くの飼い主さんは「与えても大丈夫なのかな」と疑問に思うようです。結論から言うと「与えても大丈夫」です。今回はピーナッツバターを食べて犬が得られるメリットと適切な量と与え方、選び方について詳しくお伝えしていきますね。
犬にピーナッツバターを与えてOK!
ピーナッツバターの香りや風味を好み、パンなどに塗って食べるひとも多いのではないでしょうか。
冒頭でもお伝えした通り、ピーナッツバターは犬に与えても大丈夫な食品です。
犬にとってピーナッツバターは、おいしいおやつのひとつとして人気があります。甘いにおいがしたり、舌触りがよかったりするなど、犬の食いつきはかなりよいです。
ピーナッツバターの主原材料であるピーナッツには、犬が中毒症状を起こす可能性のある成分は含まれていません。
また、ピーナッツの脂質は良質な成分であることから、ピーナッツオイル、落花生油は着目され始めています。
犬にピーナッツバターを与えるメリット
それでは、犬がピーナッツバターを食べて得られる代表的なメリット3つをご紹介していきますね。
ピーナッツバターの栄養素が犬の健康をサポートする
ピーナッツバターに含まれている主な成分は、カリウム、マグネシウム、不飽和脂肪酸のオレイン酸、リノール酸、ミネラル、ビタミン類、などです。
これらの栄養素は、犬の健康をサポートしてくれる大切な役割を担います。
含まれている栄養素のうち、カリウムやマグネシウムは、犬の免疫力を高めたり、筋肉の発達を促進したりする効果があるといわれています。
不飽和脂肪酸のオレイン酸とリノール酸は、血液をサラサラにする効果があるとされているので、動脈硬化や脳梗塞のリスクを下げてくれます。
血流がよくなれば体の調子が整ってくるので、犬の健康状態がよくなることに繋がってくるでしょう。
また、ミネラルも多く含んでいるので、血液や骨、歯を構成し、強化する効果もあります。
さらに、ピーナッツバターには消化を助ける酵素も含まれているため、犬の消化器官の働きにもよい影響を与えます。
そして、豊富なビタミン類のビタミンE、ビタミンB1、ビタミンB3などは、抗酸化作用が高いといわれています。
そのため犬の老化予防の効果が期待できたり、エネルギーの生成にも役立ちます。
皮膚をよい状態に保ってくれる働きもあるため、毛艶や毛並みがよくなるともいわれています。
苦手なお薬をピーナッツバターで包めばあっという間に服用OK
犬によってはお薬を拒否してしまい、なかなか飲んでくれない子もいますよね。おそらくお薬特有のにおいや味がどうしても受け付けられないのでしょう。
そのような場合、香りがよく、嗜好性が高いピーナッツバターとお薬を混ぜ合わせて与えてみると、あっという間に服用ができることもあります。ぜひ試してみてください。
コングの中に入れてもOK
おやつやフードを入れて遊ぶ犬用知育玩具のコングにピーナッツバターを注入して与えると、多くの犬は大喜びしてペロペロするでしょう。
少ない量でも長時間夢中になってくれるはずです。
使用後のコングは、ピーナッツバターの油分をしっかりと洗い流すことが大切です。
清潔を保つため、コングでピーナッツバターを与えた後のお手入れは欠かさずしてくださいね。
犬に適したピーナッツバターの選び方
市販されているピーナッツバターには、添加物や砂糖、塩分が含まれている商品がほとんどです。
中には犬にとって有害な成分である人工甘味料(キシリトール)が含まれているものもあります。
犬に与えるピーナッツバターは、無添加・無糖・無塩のものを選ぶことが重要です。原材料が記載されている欄をしっかりと確認してください。
しかし、飼い主さんのなかには、「ピーナッツバターを与えても大丈夫なのはわかったけれど、人間用のものはちょっと…」と難色を示すかたもいらっしゃるでしょう。
そのような場合は、犬用のピーナッツバターの購入を検討してみてはいかがでしょうか。
ただし、たとえ犬専用であっても原材料の表示はチェックするようにしてくださいね。
犬にピーナッツバターを与えるときの注意点
犬にピーナッツバターを与えるときに注意したいことは2つあります。
それぞれ見ていきましょう。
与えすぎは肥満や病気のリスクを高めてしまいがち
犬にピーナッツバターを与える際には適量を守ることが大切です。
ピーナッツバターは脂質が多く、高カロリーな食品であるため、適量を守ることが重要です。
与えすぎは、犬の健康に悪影響を及ぼす可能性があり、肥満や病気のリスクを高めてしまいます。
また、ダイエット中の犬には、高カロリーであるピーナッツバターを与えることは避けるべきだといえます。
アレルギー反応を起こす可能性もある
ごく稀にピーナッツバターに対してアレルギー反応を起こす犬もいます。
特に、初めてピーナッツバターを与えたあとは、下痢や嘔吐などを起こしていないかをしっかりと観察するようにしましょう。
犬が食物アレルギーを発症した場合、耳や目、口元、鼻先、手足などを痒がる皮膚炎や、下痢や軟便といった症状が出ます。
もし、ピーナッツバターを与えたあとにこれらの症状が出てしまったら、すぐに動物病院を受診するべきです。
犬に与えるピーナッツバターの適切な量と与え方
「どのくらいの量を与えてもいいのかな」と疑問に思う飼い主さんも多いですが、犬が一日に摂るカロリーの10%以内が目安です。
具体的には、
・超小型犬(体重3キロ未満)=小さじ1以下
・小型犬(体重10キロ未満)=小さじ1
・中型犬(体重25キロ未満)=小さじ2
・大型犬(体重25キロ~)=小さじ3以下
・超大型犬(体重40キロ~)=小さじ3~4以下
このような目安をお伝えしておきますが、本来ピーナッツバターは、犬に積極的に与えなくてもいいものです。
肥満や病気になるリスクを考慮して、目安よりも少量を与えるように心がけましょう。
まとめ
犬にピーナッツバターを与えても大丈夫だということを知って驚いた飼い主さんは多いのではないでしょうか。
ピーナッツバターに含まれる栄養素は、免疫力アップや筋肉の発達、消化器官のサポート、血液サラサラ効果、老化防止効果など、たくさんのメリットをもたらしてくれます。
また、お薬の服用が苦手な犬には、ピーナッツバターと混ぜ合わせることでうまく飲み込んでくれるかもしれません。
最後になりますが、犬にピーナッツバターを与える場合に最も重要なのは「無添加のものを選び、適量を与える」ことです。
安心・安全な食品を犬に与えることは、飼い主さんの役目です。そのためには良質なピーナッツバターを選んであげてくださいね。